人と港まちを繋ぐ「アッセンブリッジ・ナゴヤ」現代美術展 10月23日(日)まで

人と港まちを繋ぐ「アッセンブリッジ・ナゴヤ」現代美術展 10月23日(日)まで

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近年、アートの展示を通じてまちを盛り上げる取り組みが、日本各地で増えています。

アートをきっかけに人がまちを訪れ、作品と人とまちを繋げる活気ある取り組みですが、実は名古屋でも実施されているのをご存じでしょうか?

本日は、名古屋の港まちを舞台にした音楽とアートのフェスティバル「Assembridge NAGOYA(アッセンブリッジ・ナゴヤ)2016」についてご紹介します。

10月23日(日)まで開催中!「Assembridge NAGOYA 2016」とは

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名古屋の港まちとは、名古屋駅から電車で約30分程の、地下鉄「名古屋港」からその隣駅「築地口」までのエリアを指します。

Assembridge(アッセンブリッジ)とはAssemble(集める/組み立てる)とBridge(橋)を組み合わせた造語。

「世界的なクラシック音楽や現代アートの数々が、人々や風景とまざり合う懸け橋になるように」という想いを、そのフェスティバルの名前に込めているそう。

今回は、「アッセンブリッジ・ナゴヤ/港まちづくり協議会」広報担当の岡西 康太(おかにし こうた)さんから、開催中の現代美術展の巡り方・見どころを教えていただきました。

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※クラシック音楽は9月25日(日)をもって会期終了のため、現代美術展のみご紹介します。

アートを巡りながら港まちを知る!現代美術展の巡り方と見どころ

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現代美術展を楽しむには、まず名古屋市営地下鉄名港線「築地口」2番出口より徒歩1分のところにある、港まちポットラックビルを訪れるところからスタート。

こちらは総合案内所になっており、チケット(パスポート:700円)を手に入れることができます。

同じく10月23日(日)まで開催中の「あいちトリエンナーレ2016」のチケットをお持ちの方は、600円と少し安くチケットを手にいれられるので、一緒に巡って楽しむのもオススメ。

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案内所は、この水色の可愛い看板が目印!
まち中のアート展覧会場にもこの看板が置かれているので、会場を探す際の目印になります。

現代美術展のテーマは、「パノラマ庭園ー動的生態系にしるすー」。テーマの通り、展示では名古屋港界隈をひとつの庭に見立て、その庭をつくるような形で、まちの中にアート作品が入り込んでいます。

岡西さんによると、展覧会マップに沿って会場を巡ることで、作品だけでなく港まちのゆったりと流れる時間や風景にも出会えるのが見どころだそう。

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受付でこのマップと作品の紹介が載っている冊子をもらえるので、安心して散策できます。

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このビルにも作品が展示されているので、早速ご紹介していきます。

作品を観る・つくる視点が面白い!アート作品の数々

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こちらの作品は、港まちポットラックビル3階にある、アーティスト徳重 道朗(とくしげ みちろう)さんによる「山並み」という作品。

岡西さん曰く、庭に迷い込んだような感覚で展示を巡れるのがポイントとのこと。

また、作品を観る高さが目の高さくらいの位置というのは、中々珍しいですよね。

ちなみに、作品が展示されている下部はこのようになっています。

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道幅は中々狭いので、通るときは服をひっかけないようにご注意を。

作品そのものだけでなく、観る視点からこだわりがあるのが面白いですね!不思議な距離感で作品を楽しめるオススメスポットです。

2階では、「ブランクーシの裁縫箱とあれこれ」という作品の展示がされています。

1970年代よりロンドンで活動している出版社コラクル(小さな舟)が、彫刻家コンスタンティン・ブランクーシの自作していた生活用品に焦点をあてた本を出版。その本に出てくる生活用品を、アーティスト渡辺 英司(わたなべ えいじ)さんが模刻することによって実現した共同作品のコーナーです。

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本に出てくる平面のものを、彫刻にすることで立体にしようと考えた渡辺さんの着眼点が、面白いところ。

生活用品とアート作品の境目について考えてみても、楽しめるのではないでしょうか。

ここが展覧会場?驚きと発見に満ちた港まちへ出かけよう

港まちポットラックビル内のアート作品を楽しんだ後は、いざ冊子を片手にまちを散策!

建物を出て次の展覧会場に向かうと、このような建物と出会います。

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え?ここがアートの展覧会場?と思ってしまいますよね。

岡西さん曰く、元々整骨院だった場所を展覧会場に活用しているそう。

こちらは1階と2階が会場となっており、2階には名古屋港の風景を撮影した写真を展示。

写真家である城戸 保(きど たもつ)さんによって、海外かと勘違いしてしまうほどオシャレな写真が取り揃えられています。

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表現の仕方次第で、こんなにも風景の映り方が変わることに気づかされます。

消失した「モノ」や「記憶」の再現力に驚く、ボタンギャラリー

旧・西本整骨院の後は、元々ボタン屋さんだったというボタンギャラリーへ。

今はなき人気のあった喫茶店「千代田」と「キャビン」を記憶に残していくために、アーティスト中尾 美園(なかお みえん)さんによって、その喫茶店にあったものが絵巻にまとめられているのだとか。

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後世への残し方が絵巻だなんて、喫茶店「千代田」と「キャビン」への愛情を感じずにはいられませんね。ぜひ、その絵の温かさ・精確さに直接触れてみてください。

歩き疲れてきたら、オシャレなカフェ「UCO」で一休み

ボタンギャラリーのすぐ右には、オシャレなカフェ「UCO」が隣接しています。

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こちらのカフェは、なんと約20年間空き家になっていたというお寿司屋さん「潮(うしお)寿司」を改修し、カフェスペースとして息を吹き返した空間です。

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カフェのカウンターに立つのは、「コーヒーのある風景」をテーマにコミュニケーションの場を創造している「L PACK.(エルパック)」というユニットのおひとり、中嶋さん。

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中嶋さんに、トニックウォーターとエスプレッソが合わさったアイスコーヒー「トニックコーヒー」を入れていただきました。

飲んでみると、炭酸と炊きたてコーヒーの、表現しきれない絶妙な大人の味わいがしました。ぜひご賞味あれ!

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足を休めるのにも、オススメの場所です。

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こちらのカフェは、プロジェクトとして期間限定オープンです。次回は10月13日(木)から10月23日(日)の10日間(営業時間は13時~22時)オープンのカフェとなっているので、お見逃しなく!

空き家を再生することで、活気のなかった場所を人が集まるあたたかい場所へと変えるなんて、とても素敵な取り組みですよね。

他にもこんなところが展示場所に!旧・名古屋税関港寮

現代美術展はすべてで11スポットの展示場所がありますが、最後にご紹介したいのがこちらの旧・名古屋税関港寮。

元々税関の職員研修のための寄宿舎となっていた場所で、たくさんのアート作品が展示されています。

旧・西本整骨院同様、こちらも1階と2階が展覧会場となっています。

特に印象に残ったのが、マレーシア出身のクリス・チョン・チャン・フイ氏による「BLOCK B」という作品。

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集合住宅の均質的空間と住人が織りなすクアラルンプールの日常生活を映像にし、それ自体が作品になっています。

時間によってみえてくる世界が違うので、一休みしながら眺めることができます。普段の生活の見え方が変わってきそうですね。

ほかにも、「え?こんなところが?」というアートの展覧会場がたくさんあります。歩きながら、アートだけでなく港まちの魅力にも出会えること間違いなし。

まちづくりという土台に、クラシック音楽と現代アート各々のこだわりと想いが詰まった「Assembridge NAGOYA 2016」。

期間中は、出展作家によるアーティストトーク等のイベントもまだまだありますので、要チェック!

次の休日は、ぜひ港まちへお散歩に出かけてみてはいかがでしょうか。

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Assembridge NAGOYA 2016 現代美術展「パノラマ庭園ー動的生態系にしるすー」

開催期間:2016年9月22日(木・祝)〜10月23日(日)

開催時間:午前11時~午後7時
※名古屋港ポートビル展望台は午前9時30分~午後5時

休館日:2016年10月17日(月)

URL:Assembridge NAGOYA 2016 公式ページ

※イベント情報やアクセス方法・チケット等、詳細は上記公式サイトよりご確認ください。

住所:名古屋市港区名港1丁目19-23


画像引用元:http://assembridge.nagoya/

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