そんな中、名古屋市はより多くのデータベースで検索できるシステム「まるはち横断検索」の実証実験を12月1日より開始。一体どんなシステムなのでしょうか?
複数の図書館に渡って調べられる、横断検索
横断検索とは、複数の図書館が保有する書籍のデータベースから、書籍や資料を検索できるシステムのこと。各図書館のデータベースにそれぞれ検索をかけるのではなく、一回の入力・検索で、目的の本があるかどうかを調べることができます。
これまでも横断検索のシステムはありましたが、検索対象となるデータベースが公共図書館や団体が所有する図書館のみだったりと、ある程度限られた範囲内のみでした。
1,000万冊近い蔵書から調べられる「まるはち横断検索」
12月から試験的に始まった「まるはち横断検索」。
この検索システムでは、公共図書館だけでなく、名古屋市内の大学図書館や、尾張徳川家の資料を所蔵する公開文庫である名古屋市蓬左文庫といった専門図書館まで、幅広い図書館が検索対象のデータベースに含まれます。
その数は、21団体・47館。蔵書数の総計は1,000万冊近くにもなり、政令都市では全国最大規模です。
実際に使ってみました
12月1日から名古屋市図書館ホームページに「まるはち横断検索」へのリンクが追加されたので、実際に利用してみました。
(1)まず、「まるはち横断検索」のサイトにアクセスします。
(2)本のタイトルや著者など、キーワードを検索フォームに入力します。
探している本のタイトルや出版社といった詳細な情報が明確な場合は、『詳細検索』で検索範囲を絞ることが可能です。
ここでは、「菅野直」と、画面上部にある検索欄『フリーワード』に入力しました。
「菅野直」とは昭和時代に実在した人物です。
(3)検索ボタンをクリック。検索結果が表示されます。
『検索』ボタンをクリックすると、「菅野直」に関する書籍の候補が表示されました。
(4)目的の本や資料のタイトルを選択します。
書籍名をクリックすると、そのタイトルの書籍を所蔵している図書館が表示されます。
ここでは、「最後の撃墜王 紫電改戦闘機隊長菅野直の生涯」を選択。
所蔵図書館に鶴舞中央図書館と愛知県図書館があったので、「愛知県図書館」をクリックしました。
(5)所蔵図書館を選択し、詳細ページを確認。
図書館の名前をクリックすると、選択した図書館のWebサイトの該当ページに飛びます。
ここで、その図書館における書籍の情報や、貸し出し状況を確認することが可能です。
12月から来年の2月末までお試し期間として公開されている、この「まるはち横断検索」。
名古屋市では、この実験結果をもとに、平成29年度中に正式導入を目指す予定です。
これで、探したい時に本を探して、ますます便利に図書館を利用できますね。
まるはち横断検索
試験期間:2016年12月1日~2017年2月28日
URL:公式サイトはこちら
愛知県図書館
イーブルなごや図書資料室
名古屋市蓬左文庫
名古屋国際センター ライブラリー
名古屋都市センター まちづくりライブラリー
愛知芸術文化センター アートライブラリー
愛知県女性総合センター(ウィルあいち)情報ライブラリー
あいち労働総合支援フロア 産業労働情報コーナー
愛知大学図書館(名古屋図書館)
愛知学院大学CubicLib(名城公園キャンパス図書館)
愛知県立大学学術研究情報センター(守山キャンパス図書館)
椙山女学園大学図書館(中央図書館)
大同大学図書館(大同大学)
中京大学図書館(名古屋図書館、ライブラリーサービスセンター、法学文献センター)
名古屋大学附属図書館(中央図書館)
名古屋学院大学学術情報センター(名古屋キャンパス(分館名:白鳥図書館))
名古屋工業大学附属図書館
名古屋女子大学学術情報センター
名古屋市立大学総合情報センター(川澄分館・山の畑分館・田辺通分館・北千種分館)
名城大学附属図書館(本館、ナゴヤドーム前キャンパス図書館)
画像引用元:https://try.calil.jp/nagoya/ Stewart Butterfield