「食」というのは不思議なもので、ただお腹に入るというだけでは、私達は食べたいと思ったり、満足することができません。本当に魅力的だと思える「食」には、一体なにがあるのでしょうか?
正解は人によって様々ですが、今回紹介する、愛知県西尾市の「あいけいCafe」には、そのひとつの答えがあります。
こちらのカフェでいただけるのは、目がハートになってしまう、とびきりキュートな苺パフェ。インスタなどで話題にしたくなる見た目に惹かれるのはもちろん、訪れた人は皆、口をそろえて「幸せな気持ちになれます」と、心を鷲掴みにされているのです。
その秘密は、「あいけいCafe」のストーリーにありました。
目次
こじんまりとしたアットホームなカフェにようこそ
西尾市にある民家の小さなカフェ
「あいけいCafe」は2017年6月に西尾市でオープンしたカフェ。近所の人が憩いの場として利用するほか、15時からは駄菓子屋さんになるという、地域に根付いたお店です。
車では、名古屋方面からだと知立バイパスを使い約1時間。和泉ICを降りて西尾へ入り、県道301号線「善兵衛屋敷」の交差点を南方向へ曲がり、住宅街に入ってすぐ左手にあります。
公共交通機関で訪れる場合、最寄りは桜町前駅または西尾駅。どの駅からも3kmほどあるので、直接徒歩で行くよりも、途中までバス乗車をおすすめします。西尾市には1乗車100円の「六万石くるりんバス」というコミュニティバスがあり、市街地線の「鶴城会館」で降りれば、徒歩10分でたどり着きます。
お店は民家の一角を改装しており、店内はカフェというより親戚の家にお邪魔するような親しみやすさ。2人用のテーブル席が2卓、カウンター4席の合計8席で、予約はできないということです。
鳥好きにはたまらない!思わず微笑んでしまう小物がいっぱい
店の入り口や内装には可愛らしい鳥モチーフの小物がいたるところにあります。「鳥好きなんですか?」とお店の方に話しかけると、どうやら鳥(ヨウム)を飼っているよう。
テーブルの上やプレートにも鳥が描かれていて、「あ、こんなところにも鳥が!」と、見つけるとちょっぴり嬉しい気持ちに。ぜんぶで何羽いるか、探してみたくなるかも?
インスタで話題沸騰中。ハートが溢れてとまらない!食事メニューも充実
開店当初はその立地から、あまりお客さんが来なかったといいます。しかし現在は、満席で待つ人が出来るほどの人気店になりました。
一躍話題になった理由は、「ハートいっぱいいちごパフェ」。
クリームたっぷりのラブリーなビジュアルは、可愛いもの好きな女の子たちの心をしっかりキャッチ。口コミから始まり、インスタグラムで一気に注目を集め、県外からも人が訪れるようになったといいます。
優しい口当たりのクリームの上には、ハートの形でくり抜かれた苺とピンク色のハートもなか。中身はしゅわしゅわのシフォンケーキなど、食べてからのお楽しみ!
美味しい苺が手に入りやすい11月〜4月に、苺パフェは登場します。季節によってフルーツは変わり、どれもフォトジェニックで魅力的。ほんわりしたクリームの中に、いますぐスプーンを入れたくなりますね。
パフェ以外のスイーツメニューも豊富で、洋風だけでなく和風のスイーツもあります。西尾市が誇る高級抹茶をふんだんに使用した「抹茶ティラミスパフェ」は可愛らしい見た目とは裏腹に、しっかりとした抹茶味。本格的な仕上がりです。
桜の季節は、まったりお花見新メニュー
桜が散るまでの期間中は、「お花見抹茶あんみつ」、「いちご桜パフェ」といった可愛らしいお花見スイーツが食べられます。
「お花見抹茶あんみつ」は抹茶寒天に白玉、お母さんの自家製あんこ、いちご、桜アイス、クリームに、カラフルな“おいり”を散らしてあります。お花見だんご付きなのが嬉しいですね。
「いちご桜パフェ」は桜クリームに白玉、桜、いちご、最中を乗せて、中には桜、いちご、バニラアイス。桜のおかき付きで、お母さんの自家製あんこも入った和パフェとなっています。
お花見メニューはこの時期だけなのでお早目に!
ワンコインモーニングと、メニュー豊富なランチ
スイーツだけでなく、モーニングとランチもしっかりいただけます。
11時までのモーニングはワンコイン。ドリンクメニューから500円までの好きなものを注文すると、ハーフトースト、ゆで卵、サラダ、ジャム入りヨーグルト、日替わり1口お寿司、といった内容が付いてきます。これはお得感がありますね。
ランチメニューはとっても豊富。数種類のパスタやカレー、日替わりランチ、お寿司ランチなどが食べられます。
ところで「モーニングやランチにお寿司?」と思われた方は多いでしょう。
お寿司があるその理由……実はこの「あいけいCafe」、営まれている方の本業はお寿司屋さんなのです。
家族の想いを実現した、お寿司屋さんの物語
40年続くお寿司屋さんの母と娘、3人で営む
「あいけいCafe」は、母と2人の娘の家族3人で営んでいます。お母さんは、西尾市で40年以上、寿司製造業を営んでいる「愛慶食品」の3代目。
「愛慶食品」では、お持ち帰り用のお寿司や季節商品を販売しています。西尾市内の老人会やイベント等で頼まれるほか、朝、学校や職場に行く途中に買いにくるお客さんも多いのだとか。初代からの味を引き継いでおり、地元の人には「あいけいさん」と呼ばれ、長く親しまれています。
あくまでも本業はお寿司屋さんのため、そちらが忙しい時期、カフェは臨時休業や短縮営業になります。また、メニューに「母の〜」「姉の〜」などと付いているものは、不在の場合に頼むことはできないので注意してください。
コーヒーは母・妹・姉によって淹れ方と味が異なるそうです。これは飲み比べをしたくなりますね…!
人を呼ぶのが好きな父の思いに、母と娘の願いが加わったカフェ
カフェを営む前から、お家には日々たくさんの人が訪れていたそう。お父さんが、知り合った人を次々に連れて来ては、お母さんの淹れたコーヒーと共に、話に花を咲かせていたといいます。
人を招くのが大好きだったお父さんと、昔から喫茶店をやりたかったというお母さん。ケーキを作ってお客様に食べて頂きたいというお姉さん、子供たちが集まる駄菓子屋さんをやりたいという妹さん。
お父さんはカフェがオープンする1年前にガンで亡くなられましたが、2017年、家族みんなの願いで改めて自宅を「あいけいCafe」としてオープンしたそうです。
魅力的だと思える「食」にあるもの
「あいけいCafe」を訪れると、あたたかで幸せな気持ちになります。
パフェの可愛いハート形やふんわりとしたクリームは家族のやさしさを、豊富なモーニングやランチの美味しさは「お腹いっぱい食べてほしい」という愛情を感じます。散りばめられた手書きのポップなど“おもてなし”の工夫が詰まった店内は、つい「お邪魔します!」と言いたくなる雰囲気。お母さんと娘さんの気さくで親しみのある接客にほっと癒されます。
昔お父さんが連れてきた知り合いが、今も店を訪れてくれているといいます。
「あいけいCafeは、お父さんが遺した大きな贈り物」。
たとえいなくなってしまっても、お父さんの存在はずっとお店を支えている。母と娘で営みながら、その気持ちがいつもあるそうです。
「幸せな気持ちになる」「また食べに行きたい」と思う「あいけいCafe」のおいしさの秘密は、家族の愛のストーリーでした。魅力的な「食」にあるものとは、こうした素敵なストーリーなのかもしれません。
ハートがいっぱいのボリューミーなパフェがあらわす通り、愛があふれるあたたかな空間で、お腹も心も大満足。訪れた時にはぜひお母さんと娘さんとお話ししながら、家族のやさしさを味わってください。
愛慶食品 あいけいCafe
営業時間:9:00〜17:00
モーニング…11時まで
ランチ…11時~14時まで
駄菓子屋さん…15時~17時まで
定休日: 木・日(不定休あり)
URL:公式Instagram
画像引用元:https://www.instagram.com/aikeicafe/?utm_source=ig_profile_share&igshid=1fdcwzy4k21f9、https://www.instagram.com/p/BeUE_xDlbCZ/?utm_source=ig_share_sheet&igshid=19liaqy95l4k1、