“幸せのかたち”は人それぞれに異なるもの。幸せってなんだろう?という問いに、完全な答えというものは、おそらくどこにもありません。
ですが、そのひとつの”答え”として、この店がこだわる「オムライス」があります。
お日さまのように明るい黄色、あざやかに映えるトマトケチャップ。ぽよんとしたフォルムのなかには卵とバターのやさしい風味がぎゅっと詰まって、口のなかで広がっていく……。
栄の隠れ家的なお店「バッチグー!」のぷるとろ感にこだわるオムライスとクリームソーダ。口にすれば、お腹も心も満たされて、「ああこれが幸せだ」と、きっとあなたも思わずにはいられなくなるでしょう。
ゆるやかな時が流れるレトロなお店に、”幸せのかたち”を見つけに行ってみてください。
目次
栄駅近く。地下にひっそりと開店したオムライス屋さん
えっ、こんなところに!?通り過ぎないよう注意
車も人通りも昼夜にぎやかな栄の街。そんな場所に、密かにオムライスとクリームソーダを出すランチ店がオープンしたと聞き、IDENTITY名古屋のライターが足を運んでいきました。
地下鉄栄駅1番出口からワンブロック先を曲がったところにある「ヤマタケビル」を目指します。居酒屋の看板が大きく並び、一見すると、どこにもお目当ての店があるようには見えません。
看板を頼りに真横を向くと、小さな階段が。
降りていった先に目的のお店がありました。
開かれたドアをのぞくと、そこには思いがけない空間が広がっていたのです。
非日常感がすごい!昭和レトロなバー空間
レコード、黒電話、ファミコン……レトロアイテムだらけ!
店内は奥に細長い造りで、表通りの喧騒が嘘のような静けさ。魅惑的な色合いの光とBGMに満たされています。
席はカウンター(6席)がメインで、壁際に2人テーブルが2つ。10人入れば満席になってしまう、こじんまりとした空間です。
いたるところにレトロなアイテムが配置されており、壁や天井にはレコードのジャケット、ポスターがずらり。
店の奥にあるブラウン管テレビは怪しく光り、古き良きファミコンの画面を映し出しています。
お店が混雑していなければ、このファミコンでたっぷり遊んでもいいみたい。
令和の都会にあるとは思えないディープさ。こっそり人に教えたくなる魅力がいっぱいです。
夜のバーが、10年目にランチ営業をスタート
昭和時代の雰囲気がそこかしこに漂う「バッチグー!」。実はこのお店、今回オープンのために初めて作られたものではありません。通常は夜に営業している昭和レトロバー、「アサヒバー」なんです。
「アサヒバー」はこの場所で今年10年目を迎えるバー。店主のジョージさん(※ニックネーム)がひとりで営んでいます。
昭和の世界観が満ちる店内レイアウトの秘密
この店を埋め尽くす独特のレトロ感。この内装は、昭和の世界観や歌謡曲が好きなジョージさんが、バータイムのお客様に懐かしんでリラックスしてもらえるよう、こだわってつくりあげたものだそうです。
雑貨類はアンティークショップや蚤の市などで気に入ったものを集め、レコードはご自身のコレクションやお客さんからもらったものを並べているんだとか。
店内で一際映えるカウンター越しの大きな壁画は、なんと手描き!好きな柄シャツを参考に、美大出身の奥さんと二人で描いたといいます。
「バッチグー!」をオープンしたキッカケは?
アサヒバーで”お酒の〆”として出していた「昭和オムライス」が、何年も作っているうちにどんどんレベルアップ。とても人気が高かったので、バータイム以外の方にも食べてもらおうと、昼間に “オムライス専門のランチ” をやろうと思ったそうです。
店名の「バッチグー!」は、美味しいものを食べて、とにかく元気に!楽しく!なっていただければ嬉しい、という想いを込めてつけたそう。
見た目も味も最高!懐かしさあふれる「オムライス×クリームソーダ」を実食
お店のメニューは?
基本のメニューは入り口に描かれていた絵の通り、“オムライス”と“クリームソーダ”。
オムライスは定番の「ぷるとろオムライス」と、限定5食の「日替わりオムライス」のふたつがあります。
クリームソーダは全部で5種類。ストロベリー・ラムネブルー・マンゴーオレンジ・ベビーキウイ・キャラメルと、定番から珍しい組み合わせにワクワク。
現時点では上記メニューのみですが、今後、オムライスは週替わり、クリームソーダも季節ごとに違うものを用意していく予定だそうです。
バランスの良いこだわりの「オムライス」
「ぷるとろオムライス」はその名の通り、ぷるとろ感に強くこだわっているといいます。卵を贅沢に4つ使っており、お皿を揺らしたらぷるぷる揺れ、真ん中を割ればとろんと広がる半熟オムレツに仕上げているそう。
注文すると、その場でジョージさんが作り始めます。
バターが溶けて爆ぜる音や卵の焼ける甘い香り。レトロな店内の雰囲気も相まって、待っている時間すら夢のような心地よさです。
こんもり盛られたチキンライスに、今にも弾けそうなつやつや卵のフォルム。見ているだけで笑みがこぼれてしまいますね。
食べる前にお皿を揺らしてみると、確かにぷるっぷる。たまらずスプーンを入れれば、ふつりと黄色い表面が割れ、絶妙なとろけ具合の半熟卵が現れます。
舌の上をとろりと広がるジューシーな卵味。ふくよかなバターの香りにしみじみと嬉しさがこみあげてきて、食べながらも自然に口角が上がってしまいます。
チキンライスはお米の粒がはっきりとした、食べごたえのあるタイプ。卵の風味をかき消さず、バランスの取れた味わいです。ライスの中にはグリーンピースとウインナーが隠れていて、見つけるとまるで宝物を発掘したような気分に。
しっかりとした味付けとボリュームで、女性はもちろん男性も十分満足できそうです。
子供時代の思い出「クリームソーダ」を、カクテルシロップで大人っぽく
おもちゃみたいに可愛いクリームソーダ。カクテルなどに使われるシロップが使われており、風味の強さが特徴です。
シロップ単体では美味しくても、炭酸と混ぜると味がボヤけてしまうものもあり、クリームソーダにできるシロップを見つけるまで、たくさん試行錯誤したんだそう。
見た目映えの人気は、真っ青な「ラムネブルー」とキュートなピンクの「ストロベリー」。ですがジョージさんいわく「味のおすすめは、キャラメル」ということで、キャラメル・クリームソーダを頼んでみました。
しゅわしゅわサイダーの上に濃厚なバニラアイスがワンスクープ乗せられています。見た目はそこまでキャラメルっぽくないものの、ストローで吸い上げた瞬間、口の中にガツンと広がるキャラメル感に驚きました!
香ばしい甘さとミルキーなアイス、サイダーの爽快感が相性抜群。キャラメル・クリームソーダ、初めて飲みましたがハマりそうです……。
テイクアウトも実施中!レトロテイストなロゴに胸キュン
当日注文もOK!お持ち帰りしたくなる可愛いビジュアル
オムライスとクリームソーダは、営業日の時間帯(現在は月曜日の12時~15時)であればテイクアウトすることも可能。
InstagramのDMや電話で注文を受け付けています。当日注文や大人数のテイクアウトも対応しているそうです。
車は近隣にコインパーキングがいくつかあります。駅近のお店のため、電車での持ち帰りも楽ちんです。
幸せは、「オムライスのかたち」をしていると思えた日
店主がお店と料理に込める想い
「オムライスは、人を幸せにする食べ物だと思います」
そう語ってくださった店主のジョージさん。
「見る人が幸せになる黄色、幸せが詰まったようなぽよんとしたフォルム、みんな大好き卵とバターのほっとする味。バッチグー!のオムライスは、食べた人がほっと幸せになるように、奇をてらわずバランスの良い味になっています」
お店に来てくれた人が「バッチグー!」と幸せに、元気になるようなお店にしたい。そんな願いをこめながら作られている、ジョージさんのオムライス。
最後のひとくちまで、確かに幸せを感じられました。
現在は毎週月曜日12-15時のみの営業ですが、評判が良ければ昼の営業日を増やしていくことを考えているそうです。(※Instagramでお店の様子がチェックできます)
美味しいものを食べて元気になりたいとき、楽しい気持ちになりたいとき、“幸せのかたち”の選択肢として「バッチグー!」を訪れよう。そう決めて通いたくなった、素敵な隠れ家店でした。栄の街で少し日常から離れて満たされたくなったなら、懐かしのオムライスとクリームソーダを味わいに「バッチグー!」へ、皆さんもぜひ足を運んでみてください。
※メニュー・営業時間などは公開時点での情報となります。最新の情報は各店舗のHPやSNSにてご確認ください。
バッチグー!
営業時間:12:00~15:00
定休日:月曜日以外
URL:公式Instagram