名古屋で散歩に出かけるなら、「文化のみち」がおすすめです。「文化のみち」は、名古屋城から徳川園にいたる道のりのこと。大きく分けて3つのエリアがあり、江戸から大正・昭和時代にかけて名古屋の文化や産業と関わりの深い歴史的な建物が多く立ち並んでいます。時代の名残や移り変わりを感じさせる風景は、街歩きが好きな人なら惚れこまずにはいられない趣深さです。秋にぴったりなレトロファッションで、カメラを片手に「文化のみち」を訪ねてみませんか?
名古屋・東区「文化のみち」に出かけよう
「文化のみち」とは
名古屋城から徳川園にかけての一帯は「文化のみち」と呼ばれています。
江戸時代には名古屋城下町を支える中・下級武士や商人が屋敷を構え、明治から昭和の初めにかけては、近代産業の担い手となる起業家、宗教家、ジャーナリストなど様々な人が交流に訪れるなど、いつの時代も名古屋の文化を代表する舞台となってきました。歴史的建造物や各時代を生きた人々の生活の名残がたくさん残る空間は、歩いているだけで「文化」の香りを感じとることができます。
「文化のみち」歩きではなにができるの?
街を支えてきた主要な建物や名古屋ゆかりの有名人が日常を送ってきた屋敷の外観、内観を見学することが出来ます。
建築物のなかには国の登録文化財に指定されているものもあり、歴史の財産に触れられる貴重な機会です。建物の内部には当時の生活を再現したインテリアや名古屋の文化・産業に関する資料の展示など、ゆっくり時間をかけて観覧したい見所がいっぱい。
また、当時の建物を利用したレストランやカフェも「文化のみち」沿いにいくつか営業しています。
歴史的な建物で楽しむ食事はいつもと違った雰囲気に。街歩きとともにぜひ訪れてみてください。
歴史あふれる文化のみちの見どころとは
異なる魅力を持つ3つのエリア
「文化のみち」は建造物の時代ごとに、名古屋城・三の丸エリア、白壁・主税・橦木エリア、徳川園エリアの3つに大きく分けられ、それぞれ異なる魅力があります。
どのエリアも名古屋駅からは少し離れているため、訪れるなら公共交通機関が良いでしょう。観光バス「メーグル1DAYチケット」、「ドニチエコきっぷ」、「一日乗車券」を利用すると便利に回れるほか、提示すると文化のみちにある施設の入館料が割引になるのでおすすめですよ。
①名古屋城・三の丸エリア:名古屋の今昔が集まる主要スポット
名古屋の顔としても有名な名古屋城・三の丸エリアには、江戸時代から明治、大正へと続く「名古屋の近代化の歩み」を伝える歴史的建造物が数多く残されています。各時代の中でも特に重要な建物が集中しており、展示資料も充実しているのが特徴です。
改装された名古屋城や“ロケ地の聖地“と呼ばれる名古屋市市役所や名古屋市市政資料館など、昔と今が融合して活きるスポットがたくさんあります。
どこに行こうか迷ったとき、まずこのエリアを巡れば名古屋の「今昔」を感じることが出来るでしょう。
主なスポット……名古屋城、愛知県庁本庁、名古屋市市役所、名古屋市市政資料館など
②白壁・主税・橦木エリア:和×洋のレトロモダンな屋敷を巡る人気のルート
このエリアは「文化のみち」の中でも「町並み保存地区」に指定されており、明治から大正、昭和初期にかけての木造建築物が建ち並びます。かつて文化人が暮らした屋敷内を見学したり、大正ロマンの雰囲気を味わえるお洒落なものがたくさんあり、人気の散策ルートです。
当時の流行を先取りした建築デザインやインテリアは、フォトジェニックで見ごたえがあります。西洋文化と東洋文化が溶け合うこの時代特有のアンティーク感を好む人は多いはず。写真撮影が好きな人にはたまらないスポットが盛りだくさんですよ。
主なスポット…二葉館、橦木館、旧豊田佐助邸、旧春田鉄次郎邸など
③徳川園エリア:大迫力の日本庭園で四季折々の世界観を味わう
名古屋の観光地としても知られる「徳川園」周辺には、尾張徳川家の日本庭園や、近代名古屋を支えた陶磁器産業の中心拠点が残り、過去から現在に至る名古屋のルーツを堪能できます。特に秋の徳川園は紅葉の名所として知られており、見頃になると大勢の人でにぎわいます。
東京ドーム1つ分の敷地には滝や海を模した大きな池もあり、迫力ある自然の美を堪能できますよ。
主なスポット……徳川園、徳川美術館、蓬左文庫、名古屋陶磁器会館など
続いて、そんな「文化のみち」のなかでも写真映えするスポットをご紹介します。
フォトジェニックなスポット6選!
1.「百花百草」
文化のみち 百花百草は大正9年(1920)に建てられた書院・茶室・土蔵を改修し、コンサートホールを新設した施設(有料)。セルフサービスのお茶と腰掛けが置いてあり、文化のみちあるきの人々が憩う場所として、またプロの音楽家のコンサート場所として利用されています。
春夏秋冬それぞれ見頃が異なる草花が植えられ、いつの季節に訪れても美しい庭園を楽しめるのがポイントです。可愛らしい花に囲まれて記念撮影をする人が多いそうですよ。
2.「ガーデンレストラン徳川園蘇山荘」
徳川園にある「蘇山荘」は国の登録有形文化財にも指定された建物を利用し、昼はカフェ、夜はバーとして営業しています。落ち着いた風情ある空間でお茶や食事を楽しめます。
3.カトリック主税町(ちからまち)教会
主税町、と書いて「ちからまち」と読む教会。明治20年(1887)に士族屋敷の長屋を聖堂として改造したため、特徴的な外観になっています。
東海地方最古のカトリック教会として名古屋・岐阜地方の布教活動に貢献した歴史ある建物です。信者会館、司祭館、煉瓦塀が国の登録有形文化財に指定されています。
内部はミサや結婚式に使われており、荘厳な雰囲気。館内はイベントやミサが行われているときに見学が可能です。
3.「名古屋城」と「金シャチ横丁」
名古屋城の本丸にある絢爛豪華な金屏風ほど、映えるものはありません!この屏風は戦火で焼失されたものを復元し、2018年6月に公開されたもの。圧倒される彩りと美しさに息をのまずにはいられないでしょう。
名古屋城に来たついでに立ち寄りたいのが「金シャチ横丁」。グルメな名古屋人をも唸らせる美味しい食が2つのエリアに分かれて集まります。
キュートでフォトジェニックなスイーツやお土産、軽食からがっつりお腹を満たしてくれる名古屋メシなど、フォトジェニックでそそられるグルメが満載です。
4.「名古屋市市政資料館」
名古屋市市政資料館は大正11年(1922年)の建物で、国の重要文化財に登録されています。ネオ・バロック様式とよばれるレンガ造りは外観も内観も華やか。
エントランスの階段は、結婚式の前撮りや映画「SP革命編」、ドラマ「花より団子」などのロケ地になっている有名な撮影スポットです。
今では一般向けに公開されていますが、かつては裁判所として60年近く活躍していたというので驚きです。
旧第貳號法廷だった一室を利用した「喫茶室」はレトロ感満載。おしゃれなカップやボリューミーなサンドイッチにお腹も心もいっぱいに。
地下には、荘厳な地上部分とは異なる雰囲気漂う「独房」が。
裁く側と裁かれる側、両方を体験できるのは面白いですね!
5.「二葉館」
日本の女優第一号として国内外に名をはせた川上貞奴と、電力王と呼ばれた福沢桃介が共に暮らしたお屋敷。
政財界の要人がサロンとして集っていたホールや螺旋階段、川上貞奴関連の資料や郷土ゆかりの文学資料、調度品が展示されており、アンティーク好きな人にはたまらないスポットです。
秋にはキンモクセイやコスモスが館の周りに咲いており、夕暮れには風の香りを嗅ぎながらノスタルジックな雰囲気に浸れますよ。
11月3日の「文化の日」に合わせたイベントがすごい!
特別イベントやガイドツアーで、文化のみちを楽しもう
毎年、国民の祝日である11月3日「文化の日」に合わせ、文化のみちにある下記の施設では様々なイベントが開かれます。通常なら有料の場所に割引で入れたり、コンサートや展示会など特別な企画がたくさん!
- 名古屋市役所本庁舎:こだわり市場、フェアトレード・コーヒーガーデンなど
- 愛知県庁本庁舎:屋上カフェ、七宝焼体験、クラシックライブなど
- 市政資料館:桜台高校ファッションショー、金城生の吹奏楽演奏など
- 蓬左文庫:11月4日まで古書市
- 二葉館:抹茶サービス(先着100名)、人力車体験(1人500円)、講演など
- 橦木館:和楽器コンサート
- 百花百草:絵葉書プレゼント(飲み物とクッキー付)、合唱・演奏など
- カトリック主税町協会:信者館特別公開
- 日本福音ルーテル復活教会:ハンドメイド作品展、ミニバザーなど
そのほかの施設でもマーケットやお祭りなど、文化のみち一帯で「観て・聴いて・味わう」魅力的なイベントが目白押しです。こちらのページに詳しく載っているので、参考にしてください。
平成12年からスタートした「歩こう!文化のみち」というガイドツアーに参加すると、より深く楽しく文化のみちの魅力に触れることができます。ただ歩くだけでは物足りない人、名古屋の歴史に興味がある人はぜひ利用してくださいね。※2020年度の開催は新型コロナウイルス感染症を鑑みて中止になりました。
レトロ可愛いモノや街歩きが好きな人なら、ハマること間違いなしの文化のみち。歴史を感じる建物だけでなく美味しいお店にも出会えます。
晴れた日にどこかふらりと散歩に出かけたくなったなら、ぜひ文化のみちを訪れてみてください。
文化のみち
URL:文化のみち なごや歴まちネット
名古屋市市役所紹介ページ
「歩こう!文化のみち」実行委員会 公式facebook
画像引用元:https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/、https://www.shumoku.net/shumokucafe、http://nagoya-rekimachinet.jp/contents01/、https://www.facebook.com/arukoubunkanomichizikkouiinkai?fref=ts、https://www.tokugawaen.aichi.jp/、http://www.sozanso-tokugawa.jp/、https://kinshachi-y.jp/、http://higashinet.net/blog/hyakkahyakuso/