日本では、20歳から国民年金保険料の納付が義務づけられています。しかし学生だと、毎月の国民年金保険料を自分で支払うのは大変ですよね。
実はその救済措置として「学生納付特例」という制度があります。これは学生であれば20歳以上であっても、在学中の国民年金保険料の納付を猶予してくれる制度。
学生納付特例制度は年度ごとに申請を行う必要があります。申請時には「国民年金保険料学生納付特例申請書」が必要です。この記事では「学生納付特例申請書」の書き方を詳しく解説していきますね。
目次
学生納付特例申請書の書き方
記入項目は大きくわけて3つ!申請には在学している学校の情報も必要
まずは日本年金機構公式サイトに掲載されている「国民年金保険料学生納付特例申請書」をダウンロードしましょう。申請書は、『市区役所・町村役場の国民年金担当窓口』または『年金事務所』でもらうこともできます。
学生納付特例申請書の記入欄は、大きくわけて「署名欄」「A.基本情報」「B.申請内容」の3つに分けられます。太枠のなかに、必要な情報を記入していきましょう。
次の項目からそれぞれ記入する内容を紹介していきますね。
署名欄に記入する内容
用紙左上の太枠「署名欄」から記入していきましょう。
申請年月日 | 学生納付特例に申し込む日 |
---|---|
住所 | 申請者が住民票に登録している住所 |
被保険者氏名 | 申請者本人の名前 |
記入したら、名前の横に忘れず捺印をします。
「A.基本情報」に記入する内容
「A.基本情報」の欄にある記入項目は次のとおりです。
①基礎年金番号 | 年金手帳に記載されている10桁の番号 |
---|---|
②被保険者生年月日 | 申請者本人の生年月日 |
③被保険者氏名 | 申請者本人の名前 |
④電話番号 | 自宅または携帯電話の連絡先 |
20歳になったばかりで年金手帳をまだ持っていない場合は、基礎年金番号は空欄のまま提出しましょう。
生年月日の欄には「昭和」「平成」、電話番号の欄には「自宅」「携帯電話」「勤務先」「その他」のようにそれぞれ選択肢がありますので、忘れずに◯をつけてくださいね。
「B.申請内容」に記入する内容
記入事項は「B.申請内容」で最後です。
⑤申請期間 | 学生納付特例の適用を希望する期間 |
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⑥在学予定期間 | 入学年月と卒業予定年月 |
⑦学校の名称 | 在籍している学校名 |
⑧学校の所在地 | 在籍している学校の住所 |
⑨税申告の有無 | 住民税の申告や所得税の確定申告などの有無 |
⑩前年所得 | 収入から必要経費を引いた前年の所得 |
⑪特例認定区分 | 失業や天災など特別な理由がある場合のみ記入する欄 |
⑫備考 | その他特記事項がある場合の記入欄 |
1枚の申請書で申請可能な期間は「毎年4月から翌年3月まで」です。翌年分以降の申請はできません。期間内に既に年金を支払っている場合や一部の期間のみ申請する場合は、その期間を除いて申請しましょう。
また、学生納付特例は2年1カ月前まで遡って申請することができます。もし未納になっている期間があり、遡って過去の年度分を申請する場合も年度ごとに申請書を用意してくださいね。
⑨税申告の有無では申請期間前年の税申告の「あり」「なし」「不明」、前年所得では「なし」「あり(118万円以下)」「あり(118万円超)」をそれぞれ選択します。
⑩前年所得は、事業やアルバイトをしている場合に必要です。申請期間前年の所得を確認しておきましょう。「あり(118万円超)」を選択した場合は、「16歳以上19歳未満の扶養親族」の有無にも◯を付けてください。前年所得が118万円を超えている場合、学生納付特例を受けられない可能性もあるので注意しましょう。
⑪特例認定区分は、失業・天災などを理由に申請する際に記入が必要になります。退職・倒産・事業の廃止などが理由の場合は、離職日翌日の年月日を記入し、失業前の雇用保険加入の有無に◯をつけます。離職票などの証明書類も忘れずに準備してくださいね。前年所得が118万円を超えていても失業などにより学生納付特例を申請する場合には、申請が通りやすくなる可能性があります。
学生納付特例の申請に必要な書類
在学していることを証明できる書類を準備しよう
学生納付特例制度への申請には、申請書のほかに次の書類を用意しましょう。
- 在学期間がわかる学生証(コピー)または在学証明書(原本)
- 年金手帳の氏名記載ページ(コピー)
- 失業などを理由に申請する場合は失業した事実がわかる書類
学生証は有効期限や学年、入学年月日などの記載が表面にない場合は、裏面のコピーも必要です。
学生納付特例申請書の提出先と提出方法
窓口または郵送での申し込みが可能
申請書の提出先は、住所地の『市区役所・町村役場の国民年金担当窓口』または『年金事務所』です。
年金事務所に申請する場合は、郵送での提出も可能。その際、3枚目の本人控えが必要な人は、宛名の記載を必要な切手を貼付した返信用封筒を同封して送りましょう。
また在学している教育施設に「学生納付特例事務法人」が設置されている場合は、申請を委託することもできます。
学生納付特例を受ける際の注意点
納付が免除されるだけなので、年金支給金額には反映されない
学生納付特例は一時的に納付を免除する制度です。免除された分は受給資格期間として計算されますが、年金支給金額には反映されないので、将来もらえる老齢基礎年金はその分少なくなってしまいます。
そのため学生納付特例を承認された期間の保険料は、追納制度を利用して10年以内に納めるのがおすすめです。
通常は2年前までの分しか遡って支払うことができないので、10年前まで遡って支払えるのは学生納付特例のメリットとも言えるでしょう。
また国民年金保険料は未納のままだと、障害基礎年金を受け取ることができません。しかし学生納付特例を受けて納付が免除されている場合は、万が一病気やけがで障害が残った時でも障害基礎年金を受け取ることができます。未納のまま放置せず、学生納付特例を申請しておいたほうが良いでしょう。
学生納付特例の審査は約2カ月〜3カ月かかります。その間も督促状が届く可能性はありますが、審査期間中は誤って納付しないようにしてくださいね。
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