2018年2月11日に名古屋市内の会場で行われた「この短編演劇がすごい」。
演劇離れや開催地東京集中が課題になる中で、「再演のみを上演」という斬新なコンセプトで開催している本公演。今回は、2月に行われたVol2の講演のレポートと共に、直近で開催される4月公演の詳細をお伝えします。
目次
名作のみを再演するというこだわり
演劇初心者も楽しめる内容
「再演のみを上演」というコンセプトで開催されている、「この短編演劇がすごい」。同公演の公式サイトには以下のように説明がされています。
「この短編演劇がすごい」(略して、この短)は,名古屋演劇界の端っこでかすみを食べている葱玉悠が,すきになった短編劇を紹介していく演劇イベント。
より詳しい説明を企画者である葱玉さんに伺うと「評判の良い短編劇だけをもう一度上演(再演)してもらうイベント。クオリティの高さに加えて、上演時間も1作品30分前後と短いため、演劇ビギナーの方にもオススメ!」とのこと。
今回はそんな名作揃いだと言われる公演に足を運んできましたのでご紹介していきます!
質の高い小劇のラインナップ
vol.2の会場はとあるビルの一階
会場は名城線大曽根駅から徒歩5分ほどの古い建物の一階。注意して見ていないと通り過ぎてしまいそうなところに受付がありました。
受付を済ませ靴を脱ぎ,暗闇の入り口のカーテンをくぐり抜けるとオフィスの一角のようなワンルームへ。部屋の中央より奥に舞台、手前に客席というシンプルな部屋。周りの壁には黒いカーテンでカバーがかけられ,独特な雰囲気が広がっていました。
イベントの説明と演目についての簡単な紹介があってから開演。2月公演の演目は全部で3つでした。
1つ目は、ゲボゲボさんによる「テキサスハリケーン」。公式パンフレットの紹介文によると、現代に合わない、あえて暑苦しい作品で恋する男の子のお話。1人の学ランを着た男の子が登場し,女の子に好きという気持ちを伝えるシンプルなテーマ。
しかしSF調とスピードのある展開の快活なお話。観ているこちらも学生のころのエネルギッシュさを体感するような、まさに“青春”が濃く詰まった作品でした。
2つめは,松竹亭ズブロッカさんによる「そば清」。古典落語にコンテンポラリーダンスの要素を加えるという異色なテーマです。
はじめは一般的な落語の語りで,段々と音楽やダンスが混ざり始め、終盤では舞いに。本人も「ギリギリ落語」と表現されていましたが、終わってみると音楽やダンスがお話にフィットしていたことに驚きを隠せないものを感じました。落語のイメージが大きく変わる作品です。
3つめは,電光石火一発座さんによる「みかん」。ある夫婦の転機となるその一瞬を切り取ったこちらの作品。家のリビングで淡々と進む物語は素朴ながらも琴線にそっと触れられるような描写。観終わったときに余韻に浸っていたい気持ちにさせられるものがありました。
どれも30分とは思えないほど内容の濃い作品で、記憶に残るものでした。
次回公演は4月30日
会場は名古屋市青少年交流プラザ(ユースクエア)
次回「この短」vol.3は2018年4月30日17:30よりユースクエで行われます。次回も30分3作品を上演する予定。妄烈キネマレコード「恋の開」、風土の端のスクルット「それでも好き」、わがまま亭菜っ葉「粗忽の使者」。
タイトルを読むだけでもワクワクしそうですね。
気になるお値段ですが、上演協力金という名称で全部で5種類あります。当日券は2,000円(税込)ですが、お得なのがビギナー割と先行twitter割の2つ。
前売り券ビギナー割1,500円(税込)は、「ここ1年演劇を観ていない」という方が対象。先行twitter割1,500円(税込)は、4月10日までにTwitter(@konotan_sugoi)のプロフィールに固定されたツイートをリツート(又は引用リツート)した方が対象。
こちらはお申し込み時にTwitterのアカウントを知らせる必要があるのでご注意ください。その他にも一般前売り券1,800円や1作品券800円(各税込)なども用意されています。
「再演のみを上演」というコンセプト通り、どれも面白くあっという間の90分。次回vol.3の公演も期待できそうです。観劇初心者の方や好きな作品を見つけたい方、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
この短編劇がすごい!vol.3
会場:名古屋市青少年交流プラザ(ユースクエア)
開演:17:30(開場:17:10)
上演協力金:前売(ビギナー割、先行twitter割)1,500円(税込)、前売(一般)1,800円(税込)、予約(当日清算)・当日券2,000円(税込)、1作品券800円(税込)
URL:この短編劇がすごい! 公式サイト