今年は愛知県西尾市の佐久島で開催されたので、その様子をお届けします!
目次
佐久島で開催された「夜空と交差する森の映画祭 2017」とは?
複数の会場を行き来して楽しむ!野外フェススタイルの映画祭
日本初の野外映画フェスとして、2014年以降毎年開催されている「夜空と交差する森の映画祭」。コンセプトで分けた会場を複数作ることでスクリーンを3〜4つ設営し、気軽に見られるショートフィルムを数多く上映することが特徴です。
今年度の映画祭は、愛知県西尾市の佐久島開催されました。アートの島としても有名な佐久島は、人口250人ながら年間10万人もの観光客を動員する観光島。森の映画祭が離島で開催されるのは今回がはじめてです。

パンフレットは文庫本風のデザイン
通常の映画祭では有名作品を1つのスクリーンに流す「上映会」スタイルが多いですが、森の映画祭は、複数の会場を行き来しながら、気軽に作品を楽しむ「野外フェス」スタイル。
屋外にテントを張れることもフェスっぽさを醸し出しています。小中学校のグラウンドにテントを張って、夜中に映画を楽しむというシチュエーションは聞いただけでも心が踊ります!
今回の記事では、「夜空と交差する森の映画祭」の当日の様子をそれぞれの会場ごとにお伝えしていきます。今年は行くことができなかったという方は、ぜひ来年の参考に!
詳しいテーマなどは前回の記事でお伝えしているので、そちらをご覧ください。
橋を渡って向かうメインステージ「真夜中に抜け出して」
メジャーな長編作品とオリジナルコンテンツを楽しむ王道のステージ
メインステージにつけられたテーマは「真夜中に抜け出して」。佐久島の中でも、橋を渡って向かう大島という離れ小島にステージが設けられました。

「真夜中を抜け出して」のタイムテーブル
メインステージではメジャーな長編映画が中心に上映されます。「アバウト・タイム」や「溺れるナイフ」「あの花」など、二度とは戻れない時間を愛おしむような作品が選ばれました。
来場者の方にお話を伺うと、メインステージで1本お目当ての長編映画を観て、他の時間はサブステージで短編映画を観るつもりという方が多い様子。
当日の長編作品で私が観たのは「溺れるナイフ」。主演は菅田将暉と小松菜奈。田舎町を舞台にむき出しの刃物のような青春が表現される作品です。自然に囲まれながら観ると、作中の田舎町の空気さえも肌で感じられました。
映画の合間には予告編制作の裏話など、映画以外でも楽しめるコンテンツが盛りだくさん。
学校が舞台のサブステージ「放課後、伸びた影と」
青春の悩みや家族の思い出、懐かしい記憶を呼びもどす学校のステージ
次にご紹介するのは「放課後、伸びた影と」と名付けられたサブステージ。佐久島小中学校のグラウンドに設営された会場で、スクリーンの隣にはテントが張られています。

「放課後、伸びた影を」のタイムテーブル
このステージで流される映画はショートフィルムが中心。家族のエピソードや青春時代の恋愛など、心にじーんとくる作品が多く選ばれています。

「しまこと小豆島」:父の再婚に賛成できないしまこ、小豆島への旅行で近づく新しい母との距離が描かれる。
ショートフィルムは20〜30分ほど。短い分内容は薄くなってしまうのか?と思いきや、そんなこともありません。長編作品に比べて尺が短いので、説明的なストーリーが省かれて、観ている人が考えを巡らせる余白がたくさん。身近な日常について考えさせられる描写も多く、心に残る作品がいくつもありました。
この会場ではオフィシャルグッズを販売する「夜空と星の雑貨店」や、来場者も出店できる「ふろしきマーケット」というフリーマーケットも開催。出品者は自分で持ち寄った様々な物を販売しています。
なかでもユニークだった物が「えいがとごはん」という冊子。店主さんは映画と料理が大好きで、当日は埼玉からいらしたそう。冊子には映画をモチーフにして創作した料理のレシピが掲載されていました。来場者同士がつながれる企画があることも、森の映画祭の魅力ですね。
森の中にひっそり佇むサブステージ「祭囃子の隙間から」
コミカルな作品多数!クスッと笑えるお祭りのステージ
最後は「祭囃子の隙間から」というステージ。佐久島にある大山という森の中に設けられた会場です。この会場で上映される映画もショートフィルムが中心。ここでは「水戸黄門Z」や「最強戦隊ジェットマン」というタイトルからもわかるように、クスッと笑えるコミカルな作品が上映されました。

「祭囃子の隙間から」のタイムテーブル
私がここで観たのは「靴屋と彼女のセオリー」という映画。靴屋の店長ヨシヒロがお客さんとして訪れた美女に恋をするものの、彼女はとんでもなく足が臭い。これいかにして付き合うべきか…という悩みが面白おかしく描かれ、ついつい見入ってしまいました。
このステージでは森の中にあり、そこに行き着くまでの演出も幻想的。
電気がなければ真っ暗な森の中を、赤いライトが照らす道は怪しく光。不安と期待の入り混じったドキドキを感じながら道を進みます。
ステージに向かう道中には「宇宙最強のおみくじ」という設置型の企画も。

おみくじは1回1oo円で引くことができます

来場客にも媚びないスタンスのおみくじ
おみくじの内容もやはり映画ファン向け。映画の世界観が取り入れられ、私のおみくじのベースは映画『横道世之介』。
観たことのある映画が元ネタだと嬉しく、観たことのない映画が元ネタであれば、今度観てみようかな?と思えるおみくじです。
自由に動き、好きなものを楽しめる森の映画祭
映画のお供にビールや焼きそば、寝そべりながら好きなものを満喫
各ステージの近くにはフードブースが設置され、食べ物や飲み物を購入できます。サクッと食べられる軽食には、佐久島の飲食店がこの日のために作った限定メニューもありました。

佐久島にゆかりあるお店が多数出店
ステージにはそれぞれのスペシャルドリンクがあり、会場のイメージを舌でも味わえるようになっています。

思い出わたあめ(700円)「祭囃子の隙間から」のスペシャルドリンク。
3つのステージはどこへ行っても近くにフードブースがあり、焼きそばやサンドウィッチなど映画を観ながらでも食べやすい軽食が揃っていました。もちろんビールやカクテルも用意されていたので、映画のお供にはこと欠かない夜を過ごすことができそうです。
外に寝そべりながらお酒や食事を片手に、映画を楽しむことができる森の映画祭。
楽しむ時間と休める時間が一緒になったスローライフなイベントです。日常から離れて「好き」と「自由」を満喫したいという方には、まさに夢のような企画。
忙しい日常を過ごしている人や、映画が好きで新しい楽しみ方を探している人にはうってつけ。「好き」と「自由」に溢れた時間が満喫できること間違いありません。気になりつつも応募に一歩踏み出せなかった人は、来年こそ足を運んでみてはいかがでしょうか。
「夜空と交差する森の映画祭2017」
日時:2017年10月7日(土)オールナイト開催
会場開場 17:00 上映開始 18:30 10月8日(日) 上映終了 05:00 会場閉場 08:00
住所:愛知県西尾市 佐久島
画像引用元:http://forest-movie-festival.jp/