しかし、「何年も名古屋城に行っていない」という方も多いはず。
あまり訪問しない理由は「歴史に詳しくない」「楽しみ方がわからない」ということではないでしょうか。今回は「歴史に詳しくない人でも名古屋城を楽しめる方法」として、名古屋城独自グルメと名古屋城で見られるある動物についてご紹介します。
目次
1.愛知県めんるい組合公式ショップ『名古屋城きしめん亭』
ツルツル・モチモチ食感の絶品きしめん
名古屋に住んでいるのにきしめんって……と、若干引いた方もいらっしゃるかもしれません。
こちらのきしめんは、名だたる名店が加盟する「愛知県めんるい組合」唯一の公式ショップで、昭和47年からきしめんを販売しています。

東南隅櫓前にある「きしめん」ののれんが目印
メニューは一番シンプルな『きしめん』が550円その他、『きつねきしめん』(650円)、『山菜きしめん』(800円)、などのメニューも揃っています。麺だけでは寂しいという方は、いなり寿司がついた「いなりセット」(800円)、串かつがセットになった『戦国御膳』(1,300円)といった選択肢も。

『天ぷらきしめん』(900円)。エビ、ちくわ、野菜の天ぷら、わかめ、かまぼこが載った豪華版。
自家製麺はツルツルの喉越し、モチモチ食感で「きしめんってこんなに美味しかった?」と過去の記憶を疑いたくなるほどの美味しさです。天ぷらもいい感じで出汁に溶け出し、絶妙のバランス。
汁はかつおだしがよくきいていて、余裕で飲み干せます。
2.金曜日だけのスペシャルお抹茶が楽しめる『二の丸茶亭』

金ピカの茶釜でお湯を沸かす。
金の茶釜で優雅な気分でお茶の時間
きしめんを食べた後は、ちょっとお茶がしたい。そんな時におすすめなのが『二の丸茶亭』です。
こちらは名勝・二の丸庭園のすぐそばにある茶室。金曜日だけは、戦火で焼け落ちた金のシャチホコを溶かして茶釜としてリメイクしたと言われる「金の茶釜」のレプリカでお茶を出していいただけます。

この張り紙が出ていれば金の茶釜の日。金曜日だけの特別なイベントです。
メニューは『お抹茶セット』(540円)、『金箔入りお抹茶セット』(650円)。希望すれば、お茶を点てるところが見られる和室に案内してもらえます。
まずは松河屋老舗の季節のお菓子をいただきます。今回はハマグリ型のお菓子。

季節によってお菓子の種類は変わります。
和室だと緊張しますが、ここではお作法は気にせず、好きなように食べてもよいとのこと。
お作法が怪しい方でも安心です。
そしてオーダーした金箔入り抹茶が運ばれてきました。抹茶の上に豪華なふわふわと金箔が浮いています。

金箔は無味無臭なので、普通にお抹茶を楽しめます。
3.ほんのりバター味がおいしい「金鯱焼き」
焼きたてのアツアツの金鯱焼きは週末のみ
天守閣近くの売店で販売されている金鯱焼きは、20数年間変わらない製法で作られています。
週末は一つひとつ手作業で焼かれた、焼きたての『金鯱焼き』(130円)が食べられるとのこと。味は小倉、抹茶、キャラメル、カスタードの4種類。

焼いている日は付近が甘い匂いに包まれます。
今回は焼きたてではありませんが、金鯱焼きを購入。本来は食券を購入して注文ですが、金鯱焼き単品であれば現金で購入できます。

餡は控えめな甘さでちょうどいい塩梅。
皮はしっとりしていて、ふわっとバターの香りがしました。
甘さが控えめな餡とのバランスが良く、ペロリと完食できます。
堀の中のシカに癒やされよう

母娘のシカが散歩したり、水を飲んだりのんびり過ごしています。
全国でもここだけ?名古屋城の堀に母娘のシカ
お腹がいっぱいになったら、散歩しつつ、かわいいシカを見にいきましょう。場所は正門を入ってすぐの「西南隅櫓」と、写真屋さんがある堀の下です。

天守閣がよく見える場所。ここで写真を撮るとキレイに天守閣が入る。
名古屋城にシカ?と意外に思う方も多いかもしれません。実は江戸時代から名古屋城にはシカが住んでいるんです。最初は大奥で女性たちのペットとしてやって来ましたが、かわいい見た目に反し、発情期になると暴れる凶暴さも併せ持つ動物。
危険とみなされ、堀の中で飼われることになったことが始まりです。
は食料難もあって一頭もいなくなりましたが、戦後からシカの飼育が復活。最盛期には10頭以上もいた時もあったそうです。現在は母娘の2頭のみ。繁殖を試みたものの、縄張り意識が強くうまくいかなかったそうです。
かわいいマーク(刻文)を探そう
模様から家紋、人の名前まで!名古屋城石垣のバラエティ豊かな刻文
最後はちょっと歴史要素をご紹介します。
名古屋城の石垣は日本でも数多くの「刻文」と呼ばれる、マークが彫られています。
刻文とは石垣に彫った丸、三角、軍配などのしるしのことで、石の持ち主を明確にするために彫られたものです。
名古屋城は日本で一番刻文が多いと言われていて、その数は学芸員さんもすべてを把握しきれないというほど。
刻文が多い理由は、他の大名の石と間違えないようにするため。石の持ち主を巡って、無用なトラブルに起こさないようにするための防御策だったようです。名古屋城築城時は、加藤清正、福島正則など20もの大名が一斉に集結して築城にあたりました。
築城まっただ中の時はたくさんの人や石が全国から集まり、混乱していたことがうかがえます。
島津の家紋のような十字のものや、ダンゴのようなマーク、名字が彫られているものまでさまざまです。

石垣に注目して、お気に入りの刻文を見つけるのもおもしろいですよ。
また、場内には加藤清正石挽きの像があるので、城主=加藤清正と間違えがちですが、初代城主は徳川家康の9男であり、尾張徳川家の初代藩主・徳川義直です。
キャプション この銅像は巨石を運ぶに当たり、清正自ら石の上に乗って音頭をとっている姿。これは皆の士気を高めるためのパフォーマンスとも言われています。

城主じゃないのに城主っぽい扱いの加藤清正。
では加藤清正は何をしたかというと、名古屋城の天守を担当しました。
真ん中を反らせて敵に侵入させない石垣(「武者返し」とも呼ばれます)や、攻めにくい設計の入り口(道を直角に曲げる「枡形虎口」と言います)など、熊本城を作った加藤清正ならではの工夫が随所にあります。
歴史にまったく詳しくなくても、十分楽しめる要素がいっぱいの名古屋城。まずは美味しいグルメ、シカを堪能してから、少しずつ歴史にも興味を持って行くのが良いかと思います。
3月は梅、4月は桜など四季の花も楽しめますし、3月25日から5月7日まで「名古屋城・春の陣」が始まり、さまざまなイベントがあります。
名古屋城を訪れるには、今がベストシーズンかもしれません。
名古屋城
開園時間:9:00~16:30
観覧料:
一般 500円
名古屋市内在住の65歳位以上の方 100円
中学生以下 無料
URL: 名古屋城 公式サイト
住所:愛知県名古屋市中区本丸1-1