「おにぎりやさん」は、私たちの生活に身近な「おにぎり」への価値観を温かく変え、お米はもちろん、味噌やお茶など、素材の旨味をダイレクトに届けてくれる、素敵なお店です。
目次
「おにぎりやさん」とは?
かわいらしいおにぎりを東海地方のイベントやマルシェで提供し、大人気に
「おにぎりやさん」は、2015年にイベントやマルシェで出店する形で、おにぎりの販売をスタートさせました。
バリエーション豊富な味の種類とかわいらしい見た目から、出店するたびに「おにぎりやさん」のファンは増加。認知度も広まり、イベント途中で売り切れになることも多くなりました。
その「おにぎりやさん」が、ファンも念願の実店舗を2020年11月22日(日)、大須の橘エリアに、オープンさせました。
11月22日(日)、テイクアウト専門「おにぎりやさん」がオープン!
大須観音駅から徒歩8分、東別院駅徒歩12分!大須・橘エリアに誕生
「おにぎりやさん」は、地下鉄名城線の大須観音駅から徒歩8分、東別院駅から徒歩12分の大須・橘エリアにあります。
目印は、このかわいらしいおにぎりが表記された看板です。
取材に伺ったのは、11月22日(日)のオープン日の夕方。たくさんの方々からお祝いのお花が届けられていました。
では、店内に入ってみましょう。
ディスプレイには、かわいらしい見た目のさまざまな種類のおにぎりが、並んでいました。
オープン日となったこの日は、2時間待ちとなることもあったそう。SNSによる告知のみでこれだけ話題となるのは、たくさんのファンがいる証拠ですね。
客足も落ち着いた夕方ごろ、「おにぎりやさん」店主の杉江さおりさんに、お話をお伺いすることができました。
「おにぎりやさん」店主、杉江さおりさんインタビュー!
「お米やおにぎりといった身近なものの良さに気づける場になっていけたら」
「おにぎりやさん」店主の杉江さおりさん、オープン日の激務直後のなか、温かくインタビューに答えてくれました。
―-オープン日でお疲れのなか、取材に対応いただきありがとうございます。実際に実店舗をオープンしてみて、今の素直な感想を教えてください。
杉江さん:これまでイベント出店を活動の場にしてきましたが、さまざまなイベントがコロナの影響でなくなってしまいました。そのなかで今日は、おにぎりを販売できる喜び、お客さんと出会える喜びを実感できる1日になりましたね。
――実店舗をオープンすることで、お客さんとの出会いを実感できたことがうれしかったんですね。
杉江さん:今までも、実店舗になりうる物件を紹介していただいたことはありました。実際、去年まではイートインで、握りたてのおにぎりの定食を出せるお店をオープンしようかとも思っていたんです。
でも、コロナになって、当面この状況が続いていくと思ったときに、自分自身がお客さん側の立場になって考えたら、テイクアウトだったら安心だなと思ったんですよね。
――店主側ではなく、お客さんの立場に立って考えたと。
杉江さん:私は料理人ではないですし、もともと目線がお客さん側に近いかもしれないですね。「私の料理を食べてくれ」というよりは、「こんなものがあったらいいな」というものを作っていくような。
――なるほど。「おにぎりやさん」は、杉江さんが求めていたものを実践されたような形なんですね。
杉江さん:マルシェへの出店がまさにそうですね。私はマルシェ自体がすごく好きで、お客さんとしてずっと足を運んでいたんです。
でも、5年くらい前のマルシェってパンや焼き菓子といった粉物が多かった。ご飯ものというかお米粒が食べたいと思ったのが、「おにぎりやさん」を始めるきっかけだったんですよね。
マルシェっていろいろなジャンルの食べ物のお店がありますが、例えばお弁当を食べてしまうと、ほかのお店のものが食べられなくなってしまうほかのお店があるのにもったいないなあと感じていて。せっかくならいろいろ楽しみたいじゃないですか。
おにぎりであれば、これでおなか一杯にはならない。もしかしたらこんな私と同じような人がいるかもしれないと思って始めた、自分のあったらいいなを本当に作っちゃったというような感じですね。
――本日から実店舗のオープンになりますが、これまでさまざまなイベントに出店したことが、修行につながっているのでしょうか。
杉江さん:そう思います。5年ぐらいやらせてもらうなかで、実践と改善への思いが重なっていったうえで、最終的に一番やりたいのはお店なのかなと思ったんです。
――回数を重ねるなかで、気づくものがあったんですね。今はテイクアウトだけでしたが、ゆくゆくはECサイトでオンライン販売もやりたいと聞きました。
杉江さん:今まで「おにぎりやさん」のイベント出店では白米のおにぎりのみを提供していましたが、今後は玄米のおにぎりもやりたいと思っていて。ECショップでは玄米を中心に販売していきたいと思っています。

「おにぎりやさん」が使用するお米の生産者「杉浦農園」さん。知多の美浜で稲作を行う「杉浦農園」さんは、長い歴史を持ち、安全でおいしい米づくりに熱意をもって取り組んでいます
――杉江さんは、これまでライター業もされていましたよね。「おにぎり通信」も発行していきたいとお伺いしました。
杉江さん:せっかく書く仕事をしていたので、それを生かせたらいいなと。お米や海苔の生産者さんもすごく良い方なので、私の言葉で彼らの良さを伝えていけたらと思っています。
――なるほど。「おにぎりやさん」では、おにぎり以外にも豚汁やお茶のテイクアウトも行うんですよね。
杉江さん:豚汁は月替わりで味噌を変えていこうと思っています。基本となる具材は、大根や人参、ごぼうと固定したうえで、お味噌を変えていく。
今月は自家製の手前味噌を使用して、来月は山梨県の味噌蔵さんの味噌を使用したいなと思っています。その味噌蔵さんも、自前で蔵や味噌のことを紹介する新聞を発行するほど、熱い気持ちで味噌づくりに取り組んでいるんですよね。
その新聞によると、今は日本で木桶を使って味噌を作っている味噌蔵さんが50社ほどしかないそうなんですが、山梨の味噌蔵さんはそんな伝統的な作り方をしていて。そういったところの味噌を使ったら楽しいだろうなと思ったんです。その良さを「おにぎりやさん」から伝えていけたら嬉しいですね。
――「おにぎりやさん」は、いろんな生産者さんのいろんなものに出会える場になっていくんですね。
杉江さん:まだやれるかはわからないですが、うちで提供するお味噌汁を飲んで、「このお味噌先月のお味噌より好きだなあ」となったお客さんがいたら、お味噌の量り売りもしてみたいんです。
お味噌を普通に買おうとすると、1キロとかで多いんですよね。自分があったらいいなと思ったことを試せる場になっていけばいいなと思います。
――お茶は、「美濃加茂茶舗」の煎茶、ほうじ茶、玄米茶を提供予定と聞きました。「美濃加茂茶舗」のお茶を使用しようと思ったきっかけは何だったんでしょうか。
杉江さん:最初は自分がライターとして取材先として出会ったんです。そのときに「美濃加茂茶舗」の伊藤さんのお茶に対する情熱の凄さと人柄に感惹かれたんですよね。私のお米に対する見方を変えていきたいという思いと、彼のお茶に対する見方を変えていきたいという思いが似ていたと感じたのも大きかったです。
――今後の営業時間はどのようにイメージされていますか。
杉江さん:定期営業を考えています。12月からは、木、金、土の週3回ぐらい。(下記の12月営業日を参照)
具体的に知りたい場合は、SNSのアカウントをチェックしていただければ幸いです。
――ありがとうございます。最後に、「IDENTITY名古屋」の読者は女性が多いんですが、彼女たちにメッセージはありますか。
杉江さん:もともとうちのお客さんは、ファミリー層が多いんです。普段ご飯を食べないお子さんをお持ちのお母さんが、「『おにぎりやさん』のおにぎりだと2個も、3個も食べるんです」とか「お家でせがまれておにぎりを作るようになりました」と言ってくれるお母さんが多いんですよね。
うちのおにぎりをきっかけに、いろんなご家庭でおにぎりを作るようになっていってくれることがとてもうれしいんです。
――「おにぎりやさん」は、身近で日常にあるものの良さを気づかせてくれる場所になっていきそうですね。
杉江さん:お米も普段であればスーパーで買うところを、生産者さんとつないで見方を少し変えていきたい。だから、店頭やECサイトで農家さんのお米を取り扱いたいと思っているんですよね。
米、味噌、お茶、おにぎり。普段当たり前にあるようなものの見方が少し変わる。たかがおにぎり、されどおにぎりで、すごくおにぎりに可能性を感じています。
――これからの「おにぎりやさん」がとても楽しみです!杉江さん、ありがとうございました!
日常にある身近な食べ物「おにぎり」の魅力を再発見させてくれる「おにぎりやさん」、みなさんも一度食べてみたくなったのではないでしょうか。
一度食べてみるとお米や素材、そしておにぎりに対する価値観が変わること間違いなしです。ぜひ「おにぎりやさん」に足を運んでみてくださいね。
※メニュー・営業時間などは公開時点での情報となります。最新の情報は各店舗のHPやSNSにてご確認ください。
おにぎりやさん
営業時間:【12月】木曜日、金曜日:9:00~14:00、土曜日:11:00~16:00
定休日:日曜日~水曜日(最新情報はおにぎりやさんのSNSをご覧ください)
URL:公式Instagram