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ポーランド食器と雑貨の「ピグマリオン商會」で見つけた私の”お気に入り”

ポーランド食器と雑貨の「ピグマリオン商會」で見つけた私の”お気に入り”

奥路地に佇む洋食店、老夫婦が営む小さなパン屋、休日だけ開店する雑貨屋——その土地に根付き、日々の暮らしにそっと灯りをともしてくれるようなお店が、名古屋にもたくさんあります。『あの娘とナゴヤ。』では、名古屋で暮らす女性が、何でもない日に出会う、とびっきり魅力的な場所を「ストーリー」とともにご紹介。あなたの毎日を照らす“ステキ”を、名古屋の街へ見つけに行きませんか?

「考え抜いて選んだお気に入りの品を、長く愛用したい」

そんな母の考えから、我が家には使い込まれた古い品が多かった。
日々の生活で使う食器類や調理器具は私が生まれるずっと前からあるものだし、母が若いころから着ているという洋服や結婚記念に購入したという鏡台も未だに現役選手だ。

昔は「一つの物を長く使う」という考えがあまりよく分からなかった。流行のファッションを取り入れたり、身の周りを最新の物で固めることが一番だと思っていた。

そんな私も大人になって、やっと母の考えが分かってきた気がする。「本当のお気に入り」は何年たっても使い続けたいと思うし、使い込むほど愛着が湧くのだ。

 

名古屋で一人暮らしを始めて以来、私は週末の度に「お気に入り」を探しに街へ出る。

今回の目的地は、先日友達に教えてもらったポーランド食器と雑貨のお店「ピグマリオン商會」。お店のInstagramに投稿された写真の中の、可愛らしいデザインの器やカップに惹かれた。

月に10日ほどしかオープン日がない中、ちょうど今週末はお店がやっているようなので早速訪れることに。

ポーランド食器と雑貨の「ピグマリオン商會」で見つけた私の"お気に入り" - ps1

地下鉄東山線今池駅から歩くこと約5分。落ち着いた住宅街の一角にそのお店はあった。

今日がオープン日だと知って訪ねて来たけれど、「本当にあった……」と何だか不思議な感覚に陥る。少しドキドキしながら、緑色のドアを引いてお店に足を踏み入れた。

 

ポーランド食器と雑貨の「ピグマリオン商會」で見つけた私の"お気に入り" - ps9

「……かわいい!」

店内には様々なデザインの食器や雑貨がずらりと並んでいた。マグカップや平皿、深めの器、コースターに季節ものの飾りもある。どれもカラフルで見ているだけで楽しい気分に。いつもの食卓も、素敵な食器を使ったら更に楽しい時間になりそうだ。

 

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マグカップ一つ取っても種類がたくさん。花柄やハートをモチーフにしたもの、シンプルなカップから、色んな色が使われたカラフルなものまで様々。ポーリッシュマグカップの特徴だというぽってりとした形が可愛らしい。

私の日課は、ベッドに入る前に温かい飲み物を飲むこと。「素敵なマグカップがあったら、寝る前のひと時がもっと幸せになるな~」と思い、今日はここで1つ選んで購入することに。

 

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「どれも素敵で迷ってしまいます」
オーナーさんにアドバイスを求めると、一つ一つ丁寧に説明してもらえた。

黄色や赤色などは現代になって使われるようになったそうで、ポーリッシュ食器の伝統的な柄は紺色がメインなんだとか。工房によって微妙に形も異なるそうで、良く見ると膨らみの大きさや飲み口の角度などはさまざま。
一つ一つが手作業で絵付けされた一点ものなので、同じデザインでも模様が少しずつ違って個性的。

ここ「ピグマリオン商會」で扱っている食器は、ポーランドの中でもドイツやチェコとの国境に近い”ボレスワビエツ”という街で作られていて、街の名前から「ボレスワビエツ食器」とも呼ばれるそう。一番歴史ある老舗工房の名前も「ボレスワビエツ」なんだとか。

 

ポーランド食器と雑貨の「ピグマリオン商會」で見つけた私の"お気に入り" - ps4

紺色と白色が広い面積を占めるこのマグカップは、伝統的なポーリッシュ食器の代表的なデザイン。シンプルながらもカップの丸みと円を描くような柄が可愛く、どこか懐かしさを感じる落ち着いたデザインに惹かれる。

あれこれ悩みながら色々なカップを手に取ったものの、やっぱりこのカップが一番しっくりくるのでこれを購入することに。伝統的な柄も、私にとっては新鮮。今晩から早速活躍してもらうことにしよう。

 

ポーランド食器と雑貨の「ピグマリオン商會」で見つけた私の"お気に入り" - ps3

「オーナーさんが特に好きな柄はどれですか?」と尋ねると、
「難しい質問……全部がお気に入りです」とのこと。

知人からポーランドのお土産として買ってきてもらったことがきっかけで、15年ほど前から趣味としてポーランド食器を収集し始めたというオーナーさん。お店を初めてからは、毎年ポーランド西部の陶器の街”ボレスワビエツ”へ赴き、自ら工房を周って買い付けをしているそう。「全部がお気に入り」という言葉に納得だ。

 

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最近は店内に併設のカフェ「ポーラン堂」をオープンしたそう。せっかくなので、少し休んでいくことにした。

「くるみとカカオニブの米粉ケーキ」(税抜200円)と「カフェラテ」(税抜470円)を注文。お店で販売されているポーリッシュ食器で、手作りの焼き菓子やコーヒーを味わえるのは嬉しいポイント。贅沢なひと時を堪能する。

 

ポーランド食器と雑貨の「ピグマリオン商會」で見つけた私の"お気に入り" - ps11

見ているだけで楽しい気分になる食器も、実際に使ってみると更に心が躍る。購入したマグカップを使うのがより楽しみになり、「今夜はココアかな?それともホットミルク?」と考えていた。

ポーリッシュ食器は可愛いだけでなく、しっかり厚みがあるので割れにくく、実用的で長く使える点も魅力なんだとか。そんな話を聞きながら、「お気に入りを長く愛用する」と言う母の言葉が思い出された。家に帰ったら、久しぶりに電話してみようかな。このお店と買ったマグカップの話もしよう。

 

ポーランド食器と雑貨の「ピグマリオン商會」で見つけた私の"お気に入り" - ps7

オーナーさんの「お気に入り」が詰まったポーランド食器と雑貨のお店「ピグマリオン商會」。一つ一つにストーリーがある品は、使い込むほど愛着が湧きそうだ。

我が家に迎えたマグカップも、末永く「お気に入り」として愛用したいと思う。

 


ピグマリオン商會
営業時間:公式サイト内SHOPカレンダー、SNS参照

営業日:公式サイト内SHOPカレンダー、SNS参照

URL:公式サイト Instagram Facebook Twitter

住所:名古屋市千種区内山1-6-11

※メニュー・営業時間などは公開時点での情報となります。最新の情報は各店舗のHPやSNSにてご確認ください。

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