来る7月15日からは、大注目の特別展「天下人の城」も開催されますが、徳川美術館の東側に位置する料理店「宝善亭」でも気になるイベントが。
武田家を滅ぼした後の戦勝祝いで訪れた徳川家康を安土城でもてなした最高級の料理、「安土御献立十六日之夕膳」の再現メニュー「信長御膳」の提供が開始されるんです。
特別展に合わせてこんな料理まで準備する徹底っぷり。料理の内容がなかなか凄そうだったので、今回は私「名古屋の毎日を変えるTwitterアカウント」おいでよ名古屋が、いち早く試食してきました。
目次
当時の最高級御膳を再現した、絢爛豪華な「信長御膳」
信長が好んだとされる焼き味噌も
どうやら再現メニューとは言っても、記録にはメニュー名しか掲載されていないらしく、メニュー名や当時の時代背景などを考えて「恐らくこんな感じだろう」という予想の元に再現されたのが信長御膳。
しかし、今回は徳川美術館側から提供された情報の量が段違いに多く、当時入手できたであろう最高級の御膳を再現。その上で、「現代のお客様にも味わいやすい味付けを目指した」と、料理長自ら配膳しながら語ってくれました。
ざっくりではありますが、まずは献立表を見ていきましょう。
器だけでなく、内容も豪華なことがおわかりいただけるかと思います。特に当時の時代背景を考えると、これだけの食材を全国から集めた信長の権力の強さがひと目で分かりますね。
それでは特に気になるものから食べてみましょう。
当時最高級のおもてなし料理をいただく
美味しいだけじゃない、歴史ロマンに溢れた会席膳
日本で初めてワインを飲んだとされる信長らしく、食前酒には葡萄酒。
アワビをはじめとする食材にとても合う、会席膳としての完成度も非常に高いお料理です。
続いて焼き物。イメージ的には当時は魚が主流だったと思ってしまいますが、地位の高い大名。それも天下人ほどの権力者ともなれば肉を食べる文化もあったようで、鴨肉が存在感を放ちます。
もちろん全ての品がそのままでも美味しくいただけますが、焼き味噌と一緒に食べるなどしても良いとのことでした。
白米に湯をかけ、焼き味噌と一緒に食べるのも非常にオススメですので、是非お試しください。これも、せっかちな信長が好んだとされる食べ方だそうです。
鯉汁も、鯉の臭みを感じることなく楽しめるように工夫されています。現代でも尚高級魚とされる鱸(スズキ)の造りなど、「美味しいのは当たり前、ここでしか食べられない史実に基づいた再現料理を」追求した会席膳。
配膳されてからずっと目を引く、異様な存在感を放つコチラが、今回の私のイチオシです。
羊皮餅という誰も製法も形状もわからない和菓子を再現。やはり当時の権力を象徴する姿として金箔が乗っています。写真では伝わらないかと思いますが、金箔がヒラヒラ菓子の上で揺らめいてとても綺麗なんですよね。
しかも食べている間、ずっとキラキラしていて気になるんです。早くこれ食べたい。食事中にそこまで思わせるスイーツって凄いですよね。
これらを天下人が実際に食べたのか、それは誰にもわかりませんが、美味しいだけじゃない。歴史ロマンに溢れた会席膳だと感じました。
当時最高級のおもてなし料理を史実に基づいて再現、現代風にアレンジした宝善亭の信長御膳は3,800円と意外と良心的なお値段。
ただし、当時ほどではありませんが食材の準備に時間がかかるそうなので、三日前までに要予約とのことでした。
冒頭でも触れましたが、徳川美術館では7月15日から大注目の特別展、天下人の城が開催されます。
天下人の辿った歴史背景に触れた後、天下人織田信長におもてなしされている気分を味わえる信長御膳を、是非ご賞味くださいませ。
ちなみに信長御膳は特別展が終わっても、予約さえすればいつでも食べられるそうですのでご安心くださいね。
宝善亭 – 徳川美術館
営業時間:11:00 〜 21:00(夜は完全予約)
ライター
おいでよ名古屋(@oinagoya)
名古屋を淡々と紹介し続けるTwitterアカウント。
通称:おいなご
ローストビーフが主食。