今回は初開催から10周年を迎える「OFT」の魅力とこだわりに迫るべく、このフェスの仕掛人であり、プロジェクトチームリーダーを務める各務原市職員・廣瀬真一さんにインタビュー。開催のきっかけから、歴史、「OFT2018」ならではの見所も聞かせていただきました!
これを読めば、もっと楽しめること間違いなし。今回参加する人はもちろん、「行きたかったイベント…」と参加を検討していた人にとっても来年の参考になる記事になっています。ぜひ読んでみてください!
目次
2018年は、7月8日(日)開催!岐阜・各務原「OUR FAVORITE THINGS」

2009年の第1回から現在まで、さまざまなアーティストが登場してきた
今年で10回目となる岐阜を代表するローカルフェス。人気アーティストが各務原に集結
「OUR FAVORITE THINGS」は、岐阜・各務原のローカルフェスティバル。
2009年から5年間は、各務原市の村国神社の境内にある、明治時代に建設された舞台「村国座」で開催。2014年から現在の開催地である環境共生型テーマパーク「河川環境楽園」へ会場を移し、東海地方を代表するフェスとして人気を集めています。
これまでに小西康陽、スチャダラパー、RHYMESTER、サニーデイサービス、Suchmosなど、さまざまな人気アーティストが出演してきました。
そんな「OFT」は、今年記念すべき10周年。2018年は7月8日(日)に開催され、YOUR SONG IS GOOD、YOGEE NEW WAVES、CHAIなど、9組の人気アーティストが出演予定です。
今回は、10周年を記念して「OUR FAVORITE THINGS」の仕掛人であり、プロジェクトチームリーダーを務める各務原市職員の廣瀬真一さんにインタビュー。
開催のきっかけから空間づくりのこだわり、「OFT2018」の注目ポイントまでお話を聞いてきました。
10周年を迎えるOFTの始まりのきっかけ

各務原市職員・廣瀬真一さん
河川環境楽園に変わったのは、6回目から
(以下インタビュー 黒太字:アイデンティティ名古屋編集部、細字:廣瀬さん)
―今日はよろしくお願いします。まず「OFT」の開催の経緯から教えていただいてもいいですか?
廣瀬さん:各務原市に村国座という国指定重要有形民俗文化財の建物があるんですが、若い世代の人にどう知ってもらい、どう活用してもらうか、各務原市のなかで議論が行われていたんですね。若者向けに提案するイベントを、何人かの若い職員が集められて、企画を考えていくなかで、自分の企画が選ばれたという経緯があります。
―どういった企画を提案されたんですか?
廣瀬さん:「村国座」の使い方もやってみないと分からないという状態だったんですが、僕は昔から音楽がとても好きで、DJとしても活動をしていたので、「村国座でこんな音楽が鳴ったら面白いよね」というイベントを企画し、提案しました。
DJとして活動していたときのつながりも生かしながら、1年目は、ピチカートファイブの小西康陽さんが始めた前園直樹グループなど、村国座のアコースティックな雰囲気に合いそうな方をお呼びしました。とてもそのときの雰囲気が良くて、自分が思っている以上のものが見えてきたんですね。

「村国座」で行われた「OUR FAVORITE THINGS」
―初開催から3年後には、チケットがソールドアウトしたと聞きました。着実に音楽ファンの認知が広がり、人気も定着していったんですね。
廣瀬さん:実は、2年目もやるとは思っていませんでした。1回きりで終わると思っていたら、当時の市長が「来年もやります」と宣言したので、これ来年もやるんだと(笑)。でも、ありがたいことに3年目からチケットもソールドアウトになって。
自分が以前音楽活動をしていたこともあってか、音楽界隈も含めて着実に「OFT」の存在が広まっていったし、特に3年目は自分的にも頑張ったブッキングができたんですよね。
「ロロロ(クチロロ)」というポップユニットがいるんですが、当時そのバンドにいとうせいこうさんが加入して、都内でしかライブをやったことがないなか、初地方ライブが「OFT」だったんですよ。
あと当時「Rollin’ Rollin’」という曲がクラブのアンセムになっていたんですが、七尾旅人、やけのはら、ドリアンの3人をまとめて呼べたのと、「cero」がデビューしたばかりのときに呼べたんですね。
これがいわゆる「鬼ラインナップ」だったようで、音楽好きはそこにグサッとやられたんじゃないかなと思います。

6年目から会場が「河川環境楽園」に
―2009年から5年間「村国座」で開催してきましたが、2014年には「河川環境楽園」に会場が変わりました。
廣瀬さん:「OFT」は、村国座の活用について考えるところから始まりました。5年間村国座でやった後、河川環境楽園に移ったのは、「OFT」の役割が、若い人に向けた村国座の使い方を提案することから、各務原の町を知ってもらうことに変化していったんですね。
「OFT」を毎年開催するなかで、外からたくさんの若い人たちが遊びに来てくれる。だからこそ、町をプロモーションする形にできないかと。いろんな場所を探すなかで、河川環境楽園という場所は、年間約500万人来る集客施設で、キャパシティーとしても良いし、高速道路や北陸自動車道に近くて、アクセス的にも良かった。
だから、来場者も増え、認知度も広がっていくなかで、「OFT」を開催する場所として良いなと思ったんです。
だれでも楽しめる空間づくり

芝生に座ってゆったりと音楽を楽しめるのも「OFT」の魅力だ
1人1人が各務原で良い1日を過ごす。各務原で楽しかったという思い出が残る
―これまでの「OFT」を見ていくと、1回の「OFT」につき、登場するアーティストは毎回8、9組です。この数にこだわりはあるのでしょうか。
廣瀬さん:ワンステージで全部見てもらいたいというのはありますね。アーティストとアーティストが入れ替わる転換の時間を含めても、この数がワンステージでやるにはギリギリかなと。
また、毎年9組ほど呼ぶなかで、4、5組は初登場のアーティストは呼びたいと思っています。今年は、6組が初登場ですね。「OFT」のコンセプトを守りながら、初めて来る方にとっても、ずっと来てくれている方にとっても、新鮮なフェスでありつづけられるように意識しています。
その年の旬のアーティストを呼びたいというのもありますね。一昨年は、Suchmos、YOGEE NEW WAVES、never young beachをまとめて呼ぶことができました。
「OFT」も認知度が広がっていって、アーティストさんをブッキングすると、アーティストさんの方がとても喜んでくれることもあります。そういった反応をいただくと、「OFT」も成長したなあと感じますね。

「OFTからライフスタイルの発信ができれば」と話す廣瀬さん
―さまざまな人気アーティストが登場し、居心地もとても良いフェスだと感じるのですが、チケットは昔からとても手頃な価格ですよね。(OFT2018前売り料金:3500円)
廣瀬さん:「OFT」は、音楽ファンだけでなく、子ども連れの方もベビーカーを引いて遊びに来てくれます。前のほうで楽しむだけではなく、後ろの芝生のほうでゆったりと音楽に耳を傾けながら楽しんでくれている。
だから、フェス好きの人たちだけをターゲットにするのではなく、家族連れの人、地元の人に来てもらいやすくなるように意識はしていますね。

各務原在住の来場者も多い。子ども連れも参加しやすい雰囲気がある
―「OFT」に参加すると、アーティストの近くで音楽を楽しむ人もいれば、後ろの芝生に腰かけながらお子さんとのんびり楽しむ人もいて、楽しみ方に多様性があるように思います。誰が行っても居心地の良いフェスですよね。
廣瀬さん:それは、意図としてとても意識しているところです。「OFT」のこの雰囲気を楽しみに来てくれている人、芝生でレジャーシートを敷いて見に来てくれている人たちに向けた仕掛けも用意しています。「OFT」を通して各務原という土地で1日を楽しんでくれている人たちに、いろんな情報発信をしたいなと。
音楽好きの人にも楽しんでもらいながら、普段「他のフェスにはいろんな理由があって行けないから、身近なところで楽しみたい」という層に向けて発信をする。そこに、行政の僕たちがフェスをやる意味があると思いますね。
バランスを意識しながら、「OFT」から素敵なライフスタイルを提案していけたらと思います。
OFT2018の注目ポイント!

今年は、「YOUR SONG IS GOOD」「YOGEE NEW WAVES」「CHAI」など、9組の人気アーティストが出演予定
各務原のヒト・モノ・コトとの出会い!素敵なオフィシャルグッズも
―「OFT2018」は、記念すべき10回目のイベントとなりますが、10年目ならではの見どころがあれば教えてください。
廣瀬さん:「OFT2018」では、各務原の町を見せるブースエリアを作ります。

OFTと無印良品とのコラボマグが作れるワークショップも開催予定
廣瀬さん:6月24日・25日に無印良品さんと、「OFT」のデザインを施したオリジナルマイマグを作るコラボイベントを行いましたが、「OFT2018」の会場でも、コラボイベントを行う予定です。
【6/24、25開催】各務原の野外フェス「OFT」オリジナルマイマグをつくろう

各務原の人気カフェ「カカミガハラスタンド」が屋外初出店
また、各務原には「カカミガハラスタンド」というカフェがあるんですが、「OFT2018」に、屋外イベントとして初めて出店します。

「OFT2018」の「草叢ブックス」では、各務原の素敵なものと出会える
うちの町には「草叢ブックス」という本屋さんがあるんですが、そのなかに岐阜の素敵なものを販売するコーナーがあるんですね。「OFT2018」では、そのなかから厳選して、各務原の面白いヒト・モノ・コトを伝えられるブースを作ります。
例えば、各務原はニンジンが特産なんですが、フォレストファームさんという若い農家の方がいまして。彼が作るにんじんは、とても甘くておいしいんです。そのにんじんで作られる商品ブランド「ホカルノ」のプロダクトは、どれもとても美味しくて、素敵なんです。
こういったものを、ただ単に「草叢ブックス」で販売するのではなく、生産者の方と実際に話し、商品のストーリーを知り、購入する。ヒト・モノ・コトと出会えるブースを作る予定です。
―「OFT2018」に行けば、各務原の素敵なもの、そしてそれを生み出す素敵な人たちとも出会えるんですね。
廣瀬さん:各務原という町を構成する魅力を見てもらう、感じてもらう場を作りたかったんですよね。

要チェック!普段づかいしやすいオフィシャルグッズ
―そのほかに、今年ここに期待してほしいというポイントはありますか?
廣瀬さん:今年のオフィシャルグッズはとても気合を入れて作りました。今のファッショントレンドを考えて、Tシャツには胸ポケットを作ったし、ロンTも用意したんですよ。
フェスで買った服は、普段づかいしにくいところがありますが、普段から着てもらえることで、シティプロモーションにつながるのではないかと。
その他にも去年人気だった「鵜」キャップにバゲットハット、タオル、スマフォケース。今年のオフィシャルグッズは、僕自身も欲しいものがたくさんあります。当日限定の販売なので、ぜひチェックしてみてください。
また、「OFT2018」に来場される方でシャトルバスに乗ってもらった方には、先着800人で各務原にちなんだデザインのノベルティグッズ「OFTバッジ」をプレゼントします。
「鵜」「鮎」「オオサンショウウオ」「ブルーインパルス」、どれがもらえるかは楽しみにしていてくださいね。
―ここまで「OFT」開催のきっかけから歴史、こだわり、今年の見どころまでお話を聞かせていただきました。最後に、「OFT2018」に来場する方に向けてメッセージをお願いします。
廣瀬さん:10年目ということですが、毎年参加してくれている人もいるみたいで、とても感謝しています。アーティストにもフードにもこだわり、今年は新しいブースもつくりました。僕は、来てくれた方が思い思いの楽しみ方をしてくれることが、一番嬉しいです。
自分の好きなように楽しむ。そうして過ごした時間が正解だと思います。各務原という場所で、良い1日を過ごしてもらえたら嬉しい。くれぐれも熱中症には、気をつけてくださいね。
―今日は、貴重な時間をありがとうございました!
廣瀬真一さんのインタビュー、いかがでしたか?
「OFT2018」では、これまで「アイデンティティ名古屋」で紹介したカフェなどもブースを出店するんだそう。とても楽しみです!
また、『アイデンティティ名古屋』編集部も、「OFT2018」にお邪魔します。10周年の「OFT」の素敵な雰囲気をレポートとして、お届けしたいと思っておりますので、またチェックしてみてくださいね!
OUR FAVORITE THINGS
日時:7月8日(日) 11:20~20:30
場所:河川環境楽園
住所:岐阜県各務原市 川島笠田町